2017年には企業のIT予算のうち、実に三分の一が、クラウドコンピューティングに費やされると予測されています。また投資額も増え、2016年と比較すると実に28%もアップする見込みとなっています。
Cloud Computing: One-Third of Enterprise IT Budgets Spent on Cloud | Formtek Blog
予算の34%をクラウドへ投資
米国のIT市場調査会社「451Research」の2017年予測では、企業IT予算のうち34%がクラウドコンピューティングに割かれるようです。また金額は2016年と比較し28%も増えると予想させれています。金額の内訳は下記のとおりです。
クラウド投資の内訳
- 31% - インフラ
- 42% - アプリケーションサービス
- 14% - マネージドサービス
- 9% - セキュリティサービス
- 5% - クラウド対応のプロフェッショナルサービス
この状況に対し、451ResearchのリサーチマネージャーであるLiam Eagle氏は下記のように述べています。
インフラストラクチャとアプリケーションサービスの管理市場は、より長いテール市場であり、提供するインフラストラクチャとアプリケーション製品の運用、最適化、セキュリティの専門知識を重視するプロバイダにとって大きなチャンスです
IT設備投資の推移
クラウド業者にとってチャンスとなっているクラウド市場ですが、市場全体ではどのような予測がなされているのでしょうか。IT市場の調査会社「IDC」のリサーチ結果では、今後2019年までに下記の推移が予想されています。
IT設備投資全体はCAGR(年平均成長率)4.4%と、世界銀行が予想する世界GDP(国内総生産)のCAGR2.9%を上回っています。ただし、上記グラフのトラディッショナルIT分野に関しては、年平均1.7%のペースで減少しており、40年後には投資額が半減する計算です。2020年には従来型のIT投資額とクラウドの数字が逆転すると予想されているので、多くの企業がクラウドコンピューティングへの移行を進めていることが分かります。
クラウド市場のビッグ4
IT市場全体の中でも伸びているクラウドにおいて、Amazon Web Serviceに代表されるクラウドサービスは、活発に設備投資を行うことで大きな売上を上げています。投資額の成長率以上の売上成長率を誇っているのです。
調査会社Synergy Research Groupの調査では、市場は年率61.4%のペースで成長しています。事業者別ではAWSのマーケットシェアが31%と頭1つ抜けており、その下にMicrosoft、IBM、Googleと続いている状況です。この4社で市場全体の半分を占めるまでに至っています。
参考記事
AWS圧勝とは限らない、クラウドシェア争いの現場で起きている“異次元成長” (1/2) − TechTargetジャパン クラウド
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