SaaSスタートアップが盛り上がっています。Slackを代表とする新しいワークスタイルをデザインするビジネス向けのサービスをまとめました。
そもそもSaaSとは
まず最初にSaaSの定義について触れます。SaaSは「Software as a Service」の頭文字をとった略語で「サース」と読みます。これまでソフトウェアはパッケージ製品として提供されることが主でしたが、SaaSはインターネット経由でサービスとして提供・利用する形態を意味します。一言で言えば、ベンダーが所有するソフトウェアをユーザーがネットワーク経由で利用するサービス」です。
SaaSの特徴として下記の3点が挙げられます。
- データをインターネット上に保存することができる
- PC、スマートフォン、タブレットなど端末を選ばずにデータにアクセスできる
- 複数の人間が同一データを共有し、更に編集もできる
Google AppsやSalesforce、Kintoneなどが代表的なサービスです。大手IT企業がこぞってSaaSの新しいサービスをリリースしていますが、この分野ではスタートアップ企業の活躍も盛り上がっています。下記にご紹介します。
Slack
「Slack」は2013年8月にリリースされた米国発のSaaSです。 わずか2年半でDAU200万を突破し、2016年にはDAU300万を超えました。日本でも多くの企業が導入しており、IT企業のビジネス・コミュニケーションツールとして定番になりつつあります。
Slackが支持される理由は下記の通りです。効率よくスムーズにコミュニケーションを取る必要がある仕事場に、うまくサービスを提供しているのではないでしょうか。
- ストレスのないリアルタイムコミュニケーション
- あらゆるデバイスでサクサク閲覧できる
- 過去のやりとりの保存・検索が簡単
- ファイルの共有が簡単
- 他のサービスと連携し、仕事が効率化できる
- オリジナルな絵文字をカスタマイズできる遊び心がある
いつでもどこでも使いやすく、さらにエンタメ性もあって仕事が楽しくなる、そういった機能がユーザーの心を掴んでいるようです。
Box
「Box」は2005年創業で、米国Fortune500社の60%が利用する、ビジネスユース実績No1のファイル共有とコレボレーションのためのSaaSです。場所やデバイスを選ばず、さまざまなコンテンツのセキュアなアクセスと情報共有・活用を可能にします。2016年時点で世界6.6万社以上の企業がBoxを採用しています。
Box | セキュアなファイル共有、ストレージ、コラボレーション
Boxが支持される理由は、クラウドに集約されたコンテンツに、いつでも・どこでも・マルチデバイスでアクセスできる点にあります。また単なるファイル共有サーバというわけではなく、Salesforceをはじめとする150以上の世界的なクラウドアプリケーションとも容易に接続ができます。IT管理者・ユーザー、両方のニーズに答えるサービスだからこそ多くの利用者を獲得できているようです。
Intercom
「Intercom」はカスタマーサポート向けのSaaSです。チャット形式のサポートツールを軸に、顧客管理やマーケティングメールの配信など、CSに留まらずCRMまでカバーしているのが特徴です。「Acquire」「Engage」「Resolve」という3つのプロダクトに分けてそれぞれ異なるプライシングでサービスを提供しています。
Customer Messaging Platform | Intercom
このような異なる複数のプロダクトを提供する背景には、「Jobs To be Done」というフレームワークに基づく考えがあります「Jobs To be Done」は、ハーバード大学の教授Clayton Christensenが生み出した、消費者のモチベーションを理解するためのフレームワークです。ポイントは製品・サービスを「購入する」のではなく、自分の「用事(または仕事)」を片付けるための製品・サービスを「雇っている」という考えを採用している点です。
参考記事
IaaS PaaS SaaSの違い|クラウドエース(Cloud Ace)
ビジネス向けチャット「Slack(スラック)」とは?特徴と始め方を日本語で解説! | SELECK
Box ボックス - セキュアなファイルコラボレーションサービス
SaaSマーケティングでも無視できない「Jobs To Be Done」とは? – 前田ヒロ
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